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アルファ156レポート1999

購入まで(99年6月)

多くのクルマ好きと同じように、私もアルファロメオというメーカーに対しては特別な感情がありました。魅力的なデザインのクルマそのものはもちろん、過去の輝かしいレースでの戦績、ヘンリーフォードでさえ敬意を表すると言われるほどの伝統、そして、すこ〜しだけ低いとされる信頼性(笑)。それらすべてをひっくるめ、アルファロメオという名前に対しては他の自動車メーカーへのものとは違う憧憬に似た感情をいつしか持っていました。とは言っても、そこは雑食性クルマ好きの私ゆえ、シトロエンやBMWやホンダ、フェラーリやロータスやポルシェ、ランチアなんかにも憧れを持っていたので、要はクルマならなんでも好きなんですけど(笑)。

最初にアルファに心を奪われたのは、確か15年くらい前のことでした。当時関西に住んでいた私は、モンテミリアというイベントに行こうと六甲山の山道を走っていたのですが、妙に四角い真っ赤なセダンに軽やかにブチ抜かれたのです。センターマフラーから咆哮を発しつつ登り阪を駆け上っていくそのクルマこそ、最後のFRアルファと言われるアルファロメオ75でした。途中で折れ曲がったような特異なサイドモール、実用的な4ドアセダンでありながら何故かスーパースポーツカーのような美しさを感じるデザインには、今まで見てきたクルマにはない魅力を感じました。しかし学生の分際で、当時500万円くらいした75を買えるはずもなく、クルマ雑誌の特集なんかを見て楽しむだけの対象になっていました。手に入れようなんて考えもしなかった。
 


購入まで・その2(99年6月)

そんなわけで、第一次アルファショックはなんとか無事に切り抜けたのですが、程なくして第二次アルファショックに見舞われることになりました。関東に住むようになった私は、世田谷のグースネックという自動車屋さんの前に停めてある156に、またしても目を奪われてしまったのです。当時発売になったばかりで、雑誌でしか見たことがなかったのですが、写真で見るよりボディーラインに抑揚があって、艶めかしい魅力を漂わせていました。それ以前から身近に145を所有する知人がいてアルファに興味を持っていた私は、そこからアルファについていろいろ調べてみると、中古ならそこそこ手頃な価格で出回っていることを知り、次期のクルマは是非アルファに、と決めたのでした。

そこから半年あまり研究し、気楽な一人暮らしということもあって、アルファスパイダーに候補を絞り、中古車屋さん巡りを始めました。 しかし当時市場に出回っていたスパイダーはほとんどが初期型の96年式で、安めなものはかなりヤレているものが多く(特にシートの革が)、程度のいいものはお値段もお高いという、中古車選びのジレンマの王道を行くような状況でした。高いものになると新車の50万円安くらいだったし、新車は当時マイチェン後で内装が豪華になったこともあって、どうせなら新車で値引きを期待するか、と方針変更しました。要は金銭感覚がマヒして行ったんですね(笑)。

それからは訪問先をディーラーに変更し、南町田のディーラーで試乗させてもらうことになりました。梅雨のド真ん中だというのに快晴な日で、屋根を開けて走らせていると、ダメになりそうなくらい気分が良かったです(笑) もうはんこも住民票も持参していたので即契約とは思ったのですが、こんな機会はないからと156も試乗させてもらうことにしました。もし気に入ったら、将来4ドアセダンにしなきゃいけなくなった時の候補にしようかなってくらいの軽い気持ちで。

ところが、このV6の156が感動的なほどスイートで、アイドリングから加速からすべてに魅力的だったので、決断が揺らぐ結果となってしまいました。スパイダーの軽快感やオープン時の開放感と、156のエンジンや実用性で非常に悩むことになったのです。スタイルはどちらも大好きだったし、お値段もほぼ同じだったので。 自分の人生で一番贅沢な悩みに逡巡したあげく、V6の魅力と長く乗れそうな実用性で156に決めました。スパイダーは次期モデルが出たら考えるということで(笑)。

色選び(99年7月)

車種が決まったら次はグレードと色選びです。といってもV6に惚れての156だったので、セレスピードには興味津々ではあったのですがV6に決めました。ミッションは、当時Q-Systemというオートマも発売になっていたのですが、ここは6速という響きに惹かれてマニュアルにしました。オートマは40万円も高かったし・・・。ちなみにAlfalphaは今までマニュアル車を所有したことがなかったのですが、その時はそんなことは忘れていました(笑)。最後は色選びです。これがまた悩ましい選択でしたね〜。まずは定番のRosso、つまり赤ですね。お天気の日にはまぶしいくらい明るい赤で、雨の日には草木の緑に映えるしっとりとした赤に見えるという魅力的な色でした。それからちょっとあずき色がかったプロテオレッドもよかったな〜。156の微妙な曲線が強調される色だったです。 青系はファンタジアブルーとヌヴォラブルーの2色を見せてもらいました。紺色(コスモブルーでしたっけ?)は見られなかったけど、この青系2色はどちらもちょっと他のクルマでは見かけない色で、156の個性をひときわ引き立たせていました。

余談ですが、Alfalphaが行ったディーラーはいろんなクルマを扱っているので、在庫車を見せてもらうために倉庫に入れてもらった時、他のクルマも見られて楽しかったです。整備中のフェラーリF40とか、マゼラティー・シャマル、んでちょっと古めのロールズ・ロイスとか。そして最後はモノトーン系のシルバーとブラックです。シルバーは、ホントに金属っぽい質感がして良かった。サイドのえぐったようなキャラクターラインが一番際立つ色かもしれない。そしてブラックは、Alfalphaがクルマの色の中で一番好きな色です。 過去2台ブラックを乗り継いだ者としては、ショウルームで見た美しさは屋外駐車場の自分にはそうそう再現できるものではないということを身を持って知っていたはずだったんですが、そんなことも忘れてしまっていたようです(笑)。結局またブラックにしてしまいました。いつの間にか受注生産色になってしまった、ソリッドブラックです。イタリア語ではネロというらしいです。フランダースの犬を思い出してしまう私は単細胞?というわけで、二転三転したあげく、156がうちに来ることになりました。いちおう今まで生きてきた中で最大の買い物をやっちまった(笑)訳ですが、不思議と今までのクルマ購入時ほどの迷いというかドキドキ感はありませんでした。金銭感覚がイカれきっていたということもありますが、今までと違って他のクルマと比べての購入ではなかったからかも知れません。



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